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執筆者の写真ミキ ワグナー

都市封鎖の味方オンラインショッピング。でも注文殺到で配達が出来ない!

 

 外出禁止令発令から1週間。食品や薬を購入する為などの限られた理由以外は外出禁止。一番感染リスクの高い高齢者に至ってはその外出禁止期間が12週間。


 発令当初は混乱したものの、最近では生活も少し落ち着きを見せ始めました。ただ問題が一つ。家族がずっと一緒に家にいるということで毎日の様に食事を作ることを余儀なくされます。食事を作るとなれば食材がいる。そこで買い物に行くとスーパーの入店までにかなり並ぶこともあったり・・・。例えば、30分くらい並らぶのが当たり前ということになれば買い物に行くのも億劫になりますし、感染拡大が叫ばれている中では(2メートルずつそれぞれ離れて並ぶようにと言われているとはいえ)長時間並べば感染する可能性が増える・・・と思う人がいても当然です。


 それ以外にも、自宅勤務を含めて働いている方は買い物の時間も自由選べないでしょうし、小さな子供さんをお持ちのご家族であれば、こんな時期はなおさら子供を一緒に連れて行くのも躊躇われるでしょう。かと言って、14歳以下は家で一人でお留守番をさせてはいけない法律がイギリスにはあり、子供だけでお留守番をさせる訳にもいきません。


 各々が持つ色々な『スーパーでの買い物は極力避けたい』という問題の解決策として俄かにスポットライトを浴びたのが『オンライン・ショッピング』。元々大手のスーパーでは、サイトから注文をした品物を指定場所まで配達するサービスを数年前から推奨していたこともあり、多くの人達がこのサービスに殺到しました。どのくらい殺到したかというと・・・

 何と既に2週間先まで朝の6時から夜の10時までの全ての時間帯が予約でいっぱい!友人はログインした段階で8600番目で1か月先まで予約できないと言われたとか、全くサイトに繋がらなかったとか・・・(人気アーティストのコンサートチケット予約並みです)


 さすがにこうなってしまうと、被害を被るのは長期の外出禁止令が出ている『お年寄り世帯』の方々です。『高齢者は外に出るべからず』と言われても食事は作らなくてはいけない。近所に家族や知り合いなどサポートをかって出てくれる人がいればいいですが、そうでない場合は、この様な配送サービスに頼ることになります。でも、そもそもオンラインシステム使用経験がなかったり、出来たとしても3週間先の配達では役に立ちません。


 そんな中、75万人以上と言われるボランティア希望者の中からスーパーに代わって近所の高齢者を始めとする買い物が困難な方に配達を代行するサポートが早速始まりました。


 ボランティア希望者の中で車を持っている方は、サポート出来る時間を登録した後、希望時間にスーパーに出向き、商品を受け取り配達を代行します。この日見ていた限りでも5・6台の車がドンドン到着し、手際よく商品を積み込んでいました。


 こういったことが迅速に行えるのは、やはり日頃からボランティア活動を頻繁に行っているイギリスならでは。この様な緊急事態にも直ぐにボランティアの登録、人手が必要な場所へのボランティアの割り振り、スーパーとの連携が円滑に行われるのは素晴らしいことだと思いました。


 ボランティアの方の中にも仕事を失ったり、生活に不安がある方々もたくさんいらっしゃいますが、「自分よりももっと大変な人の為に役に立ちたい」と75万人以上が立ち上がるという事実が、苦難に立ち向かっている市民を励ます原動力になっているのだと感じます。

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